一人ひとりがニッポン経済

 日本経済は今、20世紀後半の高度経済成長を40年にも亘って続けると言う、歴史上類を見ない離れ業を為し遂げた反動からか、1990年代からずっと成長の美酒に酔いしれた後の二日酔いから立ち直れずに不調が続いている状態です。

 そして最初の頃はただの二日酔いだからいつものように栄養注射でもすれば、といった気楽さで公共事業による景気対策を打ち続けてきました。ところがなんぼ打っても体調は元気を取り戻せない。

 おかしいなと思ってよく調べたら、バブル崩壊による銀行の不良債権問題という動脈硬化だとわかった。小泉―竹中ラインで外科手術をして不良債権処理を敢行、金融の目詰まりに目途が付いたと思ったのも束の間、日本経済はデフレという心筋梗塞を既に発症していたのです。

 デフレと言う病い、これが滅法たちが悪く、患者ははじめのうち麻酔薬のように心地良くさえ感じてしまうのです。モノが売れない(需要不足)から売り手側は値下げ競争となります。消費者は物価が下がってラッキー!と嬉しがっていますが、値下げ競争は売り手にとって地獄の沙汰。更には買い手側がまだまだ値段が下がりそう!とこぞって買い控えるものだから、売り手側の業績は売上が減って苦しくなる一方。とうとう堪え切れず、従業員の給料は下げるわ、人員リストラでクビは斬るわ、とコスト削減を余儀なくされるわけです。

 そうなってハタと気付くのが、嬉しがっていた消費者たちは実は売り手側で働く従業員でもあるということです。物価が下がったとはしゃいでいたら何のコトはない、給料も下がっちゃった、仕事を失っちゃったと慌てふためき始めます。収入が減ったとなればいくら物価が下がったってもう贅沢は出来ない、と節約に血道を挙げ出します。するといくら値下げをしたところでめっきり消費は縮み上がるばかり。こうなったらなりふり構っておれん!と企業はますます賃下げリストラを加速させ、、、これがいわゆるデフレスパイラルという代物で、放置しておくとじわりじわりと衰弱して行く、恐ろしき病気なのです。今や日本経済の病魔は重度のデフレであることがはっきりしています。そしてぼんやりしていたら、発症してからもう10年以上が経ってしまったのです。

 とにかく日本経済にとっての喫緊の課題は、デフレから脱却させること。そしてそこそこの経済成長が安定的に出来る軌道を構築することです。それは単に普通の成熟先進国経済の社会になることに過ぎないのですが、まことに残念ながら、今の政治も行政もそして日銀もデフレ克服に向けた行動に不熱心どころか逆行するが如き政策を続けています。

 日銀はインフレ懸念をタテにお金の量を増やすことを拒んでいます(これは栄養失調の人に肥満の心配を説くようなもので)。おまけに国民はこぞって持っているお金を不安に駆られて預貯金にせっせと積み上げる。そして大量の預貯金が赤字国債の有力調達源となっており、今や銀行預金と郵貯から国債に廻っているお金はざっと300兆円規模にまで膨らんでいます。

 預金という民間のお金がこうして官に吸い上げられている構図は、まさにデフレの加速です。この眠れる預貯金を私たち生活者が長期投資マネーに換えて、経済活動の中に働きに出せば、経済成長をサポートしてくれるはずです。

 投資マネーがどっと入ることで、株式をはじめあらゆる資産価格が上がります。そうなると、私たち生活者の気持ちも元気になって、消費が盛り上がって来ます。すると企業の売上が増え始め、業績が改善します。下がり続けていたボーナスが増えたりで所得が回復してくれば、心に余裕が出来てちょっと贅沢しちゃおうか、と経済の好循環が生まれるのです。

 つまり長期投資マネーがどっと市場に入って行けばデフレは解消して、消費が回復すれば経済成長軌道が定まって来ます。そして名目経済成長率が4%程度あれば(この程度はごく普通の数字です)、日本経済は20年足らずで倍の規模になるでしょう。当然税収も成長に伴って増えるし、たとえ財政赤字の量は減らなくとも、経済のパイが大きくなることで健全財政を取り戻すことが出来るのです。

 お上(おかみ)任せにしていた結果、日本は20年を失いました。それでもお上は変わらないなら、私たち生活者の持つお金のチカラで、日本経済の新たな成長軌道を敷いてしまいましょう。それはとりもなおさず自分のためのみならず、私たちの子供や孫たちの生きる将来社会のための行動なのです。

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