ユーロの大きな落とし穴。。。?!

 統一通貨ユーロは世界における欧州経済の影響力を高め、ブロック経済としての成長を目指して前世紀末にスタートしました。
 ユーロ圏にはいくつもの国が存在し、それぞれが独立した政治を行い、独立した経済で成り立っています。ゆえにユーロの構造には当初から大きな矛盾があったのです。
 まずはユーロ圏各国が等しく同じ通貨を使うのですから、その通貨を管理する中央銀行が必要だ、ということで欧州中央銀行(ECB)が創設されました。この役割は米国のFRB、日本なら日銀の機能です。ECBがユーロ通貨の発行量を調整し、金融政策を担うのです。つまりそれぞれ事情の異なる国が同じ通貨を通して同じ金利をベースに経済運営をするわけです。
 ところが通貨の番人は共通でも、財政政策を共通に司る統一財務省は創らなかったのです。そのためメンバー各国政府はそれぞれの懐事情・金銭感覚で財政をやりくりしていたのです。財政規律については目安としてのルールが設けられており、その基準を各国がしっかり遵守することで財政の健全性が保たれるはずでした。
 しかしユーロ導入後、このルールがいつからか、なし崩しになってしまったのです。気が付いたらドイツも含め、どこも約束した基準を守っていない。この代表的なルールが各国経済規模に対する借金比率です。
 それはルールに対する罰則が無かったからで、どこも自分たちだけ、ちょっとくらい逸脱しても大丈夫だと考え、ルーズに運営しているうちに、ユーロ圏全体がモラルハザードを起こしてしまったのでしょう。

 ユーロ発足からしばらくの間、圧倒的に豊かで経済力の高いドイツが随分と割を食いました。統一ユーロの最大の美徳は市場の一体化です。つまりドイツの企業は自由に他の国に行ってビジネスが出来るわけで、飛び抜けて生活水準が高い、つまり人件費の嵩むドイツから安い給料でも喜んで働いてくれる南欧のスペインやポルトガル、或いは東欧のスロバキアなどに工場を移すことでコストが大幅に削減され、企業競争力は高まったのです。
 ところがそのおかげでドイツ国民から雇用が奪われ、また高い賃金水準が引き下げられていくというデフレ経済に苦しむことになりました。
 相対的に経済力の弱い国では新たに雇用が生まれ、所得が増えて経済成長が高まる一方で、ドイツは富の移転と所得均衡化の流れに直面していたのです。
 それでもユーロ圏全体では域内新興国に対する投資が生まれ、そこに高い経済成長が実現されたことと、競争力あるドイツ企業はユーロ域内を新たな輸出市場としてどんどん拡大出来ることで、これは素晴らしい仕組みだ!と好循環を謳歌していたのでした。

 そうしてユーロ圏が賑わい、世界的に通貨ユーロの信認も高まって、ついにはドルの地位を脅かすほど評価もうなぎのぼり!実はこれが大きな落とし穴となりました。
 相対的に貧しかった国が、ユーロという強い通貨を持ってしまったがゆえに、いわばドイツの信用をタテにドイツと同じ金利水準でいくらでも借金出来る状況になっていたのです。その代表がギリシャです。
ギリシャは政府が先頭をきり国債発行という借金によって、贅沢三昧を始めました。公務員の給料はどんどん上がり、ドイツ人に追いつくぞと言わんばかり。しかしながらベースとなる経済力は格段に違うのです。気が付くとギリシャ政府は放漫財政の垂れ流しで借金漬け。共通の金融政策を基盤にしながら財政は別々、という大きな経済構造上の欠陥がいよいよ顕わになる時が来たのです。
次回はギリシャ危機の内実に迫っていきましょう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 10

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い