PR

中野晴啓が語る!いまさら聞けない世界経済

アクセスカウンタ

help RSS 欧州統一通貨ユーロ誕生の原点とは!?

<<   作成日時 : 2012/01/19 16:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 28 / トラックバック 0 / コメント 0

 昨年日本は東日本大震災から原発事故に至る大災禍が国内を揺るがせましたが、世界の金融市場と経済活動に最も大きな影響を及ぼしたのは、何と言ってもユーロ債務危機の勃発でありましょう。
 統一通貨ユーロが導入されたのは1999年で、ユーロ通貨の歴史はまだまだ浅いわけですが、現在では17カ国もの経済規模を背景に、米ドルに次ぐ流通通貨に拡大してきました。
 ところが皆様ご存知の通り、昨年ギリシャ危機を端緒に一気に火の手が広がってしまったユーロ問題。これはソブリン危機と言われ、これまで安全と見なされてきた国家債務に対する市場からの信頼が、一気に損なわれたというのがユーロ問題の根幹です。
 実は通貨ユーロが制度として定められたのは、今から遡ること20年。マーストリヒト条約が締結された1992年から、ヨーロッパでは統一通貨ユーロ実現に向けた取り組みが始まりました。
 そしてこの時から、実はユーロという構造には大きな矛盾が存在していることは周知でした。それでもヨーロッパ人は、統一ユーロ経済という悲願を実現するため、半ば合理性をも度外視した、ある意味無謀とも言える挑戦を選択したのです。

 では彼らの悲願とは何でしょうか?一般的には、共通通貨ユーロの動機は再び欧州が戦火に塗れることのないよう、ドイツを封じ込むためと言われています。2度の世界大戦を引き起こしたドイツも、贖罪的心意気でユーロに舵を切ったということは一面の真実でありましょう。欧州大陸全体の平和継続への願いが込められているのです。
 しかし、もっと情緒的な大いなる動機があります。それこそは大欧州のプライドとでも言えましょうか。
 第2次大戦後、世界のリーダーは米国に移りました。米国がメキメキと存在感を強める一方で、欧州経済は英国病に代表される衰退に陥り、経済成長から取り残されました。その間に米国は、ソ連に対抗する強大な軍事力と基軸通貨ドルを基に、西側先進国における覇権を確立したのです。
 さらに同時期、敗戦国と侮っていた日本が高度経済成長を実現して、世界第2の経済大国に大躍進。西側経済が日米中心で席捲されるのを、欧州各国はほぞを噛んで眺めていたのです。世界の近代化を創って来たのは欧州であるという、ヨーロッパの自尊心はズタズタになりました。
 その後、89年にベルリンの壁が崩壊して冷戦が終結、米国一極支配体制はますます明確になりました。このままでは欧州は米国に飲み込まれてしまう。そんな危機感と共に、彼らの中にメラメラと湧き出したのは、米国への対抗心です。
 それは欧州こそが先進国であって、米国なんぞは新興国ではないか。そんなポッと出の米国におめおめ負けてたまるか!との執念が、欧州統一通貨誕生の原点なのです。
 歴史的にいくつもの国家に分かれているヨーロッパが経済的にひとつになれば、米国ひとり勝ちの体制に一矢報いることが出来るはずだ!そうすればドルの独占支配という世界経済のヒエラルキーをも変えることが出来るにちがいない!こうした恩讐の彼方に、民族を、文化を、そして国家をも超えて、統一通貨ユーロによる大欧州を実現させようとの思いが醸成されたのではないでしょうか。
 次回は統一通貨ユーロの構造的矛盾と、それがギリシャからどうして露呈したのかを具体的にお話したいと思います。

テーマ

注目テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 28
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
面白い 面白い
かわいい かわいい
驚いた

著者プロフィール

セゾン投信株式会社 代表取締役社長  http://www.saison-am.co.jp/


 1963年東京生まれ。1987年明治大学商学部卒。同年西武クレジット(現クレディセゾン)入社。セゾングループのファイナンスカンパニーにて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用のほか外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、(株)クレディセゾン インベストメント事業部長を経て2006年セゾン投信(株)を設立、2007年4月より現職。米バンガード・グループとの提携を実現させるなどにより、現在2本の長期投資型ファンドを設定、販売会社を介さず資産形成世代を中心に直接販売を行っている。また、全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にするための活動を続けている。


公益財団法人 セゾン文化財団理事

NPO法人 元気な日本を作る会理事


著書

『運用のプロが教える草食系投資』(共著)日本経済新聞出版社

『積立王子の毎月5000円からはじめる投資入門』中経出版

『投資信託は、この8本から選びなさい。』ダイヤモンド社 など


ブログ「社長日記」  http://www.saison-am.co.jp/blog/

HP 「社長対談“今”を変えるチカラ」  http://www.saison-am.co.jp/taidan/index.html

twitterアカウント:@halu04





ウェブリブログ


欧州統一通貨ユーロ誕生の原点とは!? 中野晴啓が語る!いまさら聞けない世界経済/BIGLOBEウェブリブログ